【キャリア設計】来年の職務経歴書を書こうと思った

タイトルの通り、来年の職務経歴書を書こうと思い至った訳ですが、そのように思い至った経緯も含めて書き記して置こうと思います。

新卒入社した戦略コンサルからデータサイエンティストへの転職

新卒で入社した戦略コンサルから、経験の無いデータサイエンティストにキャリアチェンジした。転職して間もない頃は、道の領域で自分のバリューを示す事に必死で、データサイエンティストの仕事であるかどうかを問わず、前職の経験が活きる分析企画や関係者調整に力を尽くした。

しかし、ふとした瞬間に、「何のために転職したのだろうか、転職の目的は果たせているのだろうか」と思う時がある。新卒で戦略コンサルを選んだ理由はやりたいことを見つけるためであり、戦略コンサルからの転職理由はデータ分析をやりたいと思ったためだった。だとすると、今やっていることは、現在の環境で目的を達成する手段でこそあれ、目的では無い。

データサイエンティスト”業界”に身を置く危機意識

では、データサイエンティストっぽいこと(=これが示す事にも諸説あるが)ができれば万事解決かと言うと、それはとっても危うい。何故なら、今後データ分析ができる人なんていくらでも増えてきて、それで、色々な便利ツールも普及してきて、分析者としてのデータサイエンティストはコモディティ化して給料が下がるだろうから。もっと言えば、私が分からないITやシステム領域の知見も兼ね備えた人間の参入も増えてきて、”データ分析だけしかできない人間”は採用すらされないかもしれない。

私は、とある大企業でデータサイエンティストをやっていて、今後も大企業でやっていきたいと考えている。理由はシンプルで、ホワイトであり、ネームバリューがあり、ゴリゴリのデータサイエンティストでなくても一定のバリューが出せるから。しかし、デメリットもあって、大企業であるがゆえに、もとの文化を変えることが非常に難しく、組織がなくなるリスクすらある。だから、備えて置かなければならない。

データサイエンティストへのキャリアチェンジが誤りだったのか

データサイエンティストにキャリアチェンジしたことを悲観しているかと言うと、そうではなく、データサイエンティスト”業界”は、まだ職種の定義が曖昧で動きが読めない分、この黎明期の段階で、”ちゃんとしたポジショニング”を取れば、リターンがあると思っている。

また、先ほど組織が無くなるリスクを述べたが、多くの大企業では、今後もデータ利活用に苦戦するだろうし、組織の問題が絡む分、外部業者の力だけでは立ち行かないことも多いと思うので、今の会社がダメになっても、どこかしらに需要があると思っている。

評価されにくいコンサル経験

一応、私の武器はコンサルで身につけた”コンサルスキル”だったり”マインドセット”、だと思っている。これは重要かつ本質的なスキルやスタンスである一方、”分析スキル”とか、”システムに関する知識”とかと比べると、転職市場では評価されにくいと思う。

何故なら、スキルや知識のようにある/なしで評価できるものに比べて評価しにくいためだ。事業現場に採用権限が委ねられている企業であれば問題ないだろうが、多くの大企業では全く理解の無い人事や役員が採用に関与するため、彼らにも分かりやすい評価基準で採用判断しなければならない。そうすると、大学の入学試験のように知識や経験に偏重した採用となることは仕方がないと思っている。

冒頭で挙げた通り、私は目先の事に流されやすい性分なので、目先の業務をこなすだけこなしているうちに、組織が無くなることが容易に想像できてしまう。そして、転職市場に出ても「お前、何ができるんだっけ?分析すらできないんじゃ採用できないよ」、という最悪のシナリオが待ち構えている。

最悪のシナリオを避けるために、、、来年の職務経歴書を書こう

次の転職を見据えて、データサイエンティストの職務要件にあるような諸スキル(SQL, Python, ect)を磨くのも良いと思うが、それだけだと、データ分析ができるだけのデータサイエンティストとなんら違いがない。

なので、本題である、「来年の職務経歴書」を書こうと思った。来年の職務経歴書を書く効能はいくつかある。

  • 職務経歴書として”書くことで、目標が洗練される
    • 職務経歴書として書けるか、という制約を加えることで、「SQLをマスターする」といったチマチマした目標がスクリーニングできるはず
  • 職務経歴書に書けることと、それ以外のこととで、優先順位が明確になる
    • 乱暴な言い方をすると、「職務経歴書に書くこと」と「それを達成するためにやるべきこと」以外に無駄な時間を使わなくてよくなる
  • 一貫したストーリーで行動していれば、職務経歴書に書いた目標が達成できなくてもなんとかなる
    • 職務経歴書は、転職のストーリーそのものだから、ストーリーがしっかりしていて、そのストーリーに則って行動できていれば、いくらでもリカバリーや説明が可能なはず

前職時代を思い出して

職務経歴書の話を書いていて、前職時代に、「優秀なコンサルタントとは、Day1(プロジェクト開始初日)で、そのプロジェクトの最終報告書のストーリーが作れる人間である」と教えられたことがあったのを思い出した。

これは、仮説思考とか、論点思考に通じることで、

  • 手当たり次第に情報収集するのではなく、
  • 主張(=ストーリー)を伝えるための根拠だけを必要最低限の労力で収集する
  • たとえ当初の主張(=ストーリー)に多少の誤りがあったとしても、都度軌道修正する方が圧倒的に効率が良い

という考え方に基づくものである。

キャリア設計も、これに似たようなもので、「どんなキャリアが良いのか」という漠然とした問いに対して、無闇やたらに動いて試すよりも、ある程度自分が満足できる方向性に向けて動いた方が、最終的な満足度だったり、効率が良いんだろうなぁ、と思った次第。

というわけで、来年の職務経歴書を書こう。